1968年に登場したBMW 2002は、長い間謎と誤解に包まれてきた自動車界のアイコンです。そんなBMW 2002の本当の姿に迫るのが「The BMW 2002: The real story behind the legend」です。この本では、輸入業者マックス・ホフマンの提案で作られたという神話を打ち破り、デザイナー、エンジニア、経営者、そして規制当局がどのようにしてBMW 2002をパフォーマンスと実用性の完璧な組み合わせに仕上げたのかを明らかにしています。
物語は1960年に始まります。BMWが700クーペの後継車として初めてデザイン図を描いた時期から、1976年に生産終了となるまでの全てのエンジンとボディスタイルのバリエーションが紹介されています。しかし、この本は単なるスペックのカタログではありません。車がどのようにして生み出されたのか、その過程でなされた決定やその背後にある理由に深く掘り下げています。
さらに、この本では、重要な時期におけるアメリカでのBMWのビジネス展開についても詳しく語られています。独立系輸入業者のホフマン・モーターズ社やフェイデックスから、BMW of North Americaというミュンヘンの完全子会社に至るまでの歴史が描かれています。
BMW 2002はアメリカ市場でのBMW初の大ヒット作となり、BMWが世界的な成功を収める道を切り開きました。この本では、その成功の舞台裏と、いかにしてその成功が実現し、そして実現しなかった可能性が語られています。
全132ページにわたり、110枚の白黒イラストと共にその歴史が紐解かれます。